体調は万全ではないももの・・・なんとか気持ちをふるいたたせて劇場へ。
観た感想は『とっても良い映画』
コミカルで叙情的な話。
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チェリストを諦めた主人公が山形の田舎に帰ってひょんなことから納棺師をはじめるというストーリー。
http://www.okuribito.jp/statics/
主人公は本木雅弘
奥さん役は広末涼子

そして脇役がまた凄い
ベテラン納棺師に山?努
事務所の事務に余貴美子
幼馴染の銭湯のおばちゃんに吉行和子
その銭湯の常連に笹野高史
など
とっても味のある役者さん揃い。
笹野さんのラスト前の出番がまた・・・。
素敵な役どころでした。

地味というかあまりなじみの無い納棺師という職業
亡くなった人を棺に納めるという淡々とした作業
でもその中にきちっとした作法があり
きびきびと主人公がその所作に従って儀式をすすめていくところはとても観ていて気持ちが良かったです。

最初の仕事が一人ぐらしのおばあさんの死後数日経った死体の納棺だったのも
普通の仕事ではないということを印象付けるのにもとても効果的だったし
話の流れというか展開が綺麗で、見ていてほんと気持ち良かったです。
ラストはすすり泣きが会場全体に広がってて
なんかそっちに気をとられてしまって泣き所を泣けずに終ってしまって
ちょっと消化不良だったのですけど。
全体的にまとまっていて気持ちの良い映画でした。

それにしても本木さんは
お坊さん・大学の相撲部員・中国の鳥人・伊右衛門など
ちょっと変わった役どころが多い中
かっこよくもあり、かっこ悪くもあり
面白おかしく演じられていてほんと尊敬します。
努力の影がまったくみえず
さらっとこなしているように見えるところがまた
凄いです。

音楽は久石譲なんですけど
最後のテロップまで気がつきませんでした。
とてもいい音楽すぎて・・・w
ちょっと久石さんから自分は遠くかんじました。
でもよく聞いてみるとちゃんとテイスト入っているかもですね。
言われてみればっていうのが大きいかも。
でもチェロの音は好きなのでずーっと心地良かったです。
田園風景で本木さんがチェロを奏でるシーンも素晴らしかった。

でもこの映画の中で一番観て良かったと思ったことは舞台セット!
東京のマンションも素敵だったのですが
山形の実家の喫茶店・スナックのセットがもうぅ好みすぎるくらいど真ん中
民藝風なたたづまいで
窓のガラスがひし形だったりレトロな部分がまた素敵で・・・
事務所も古びたレトロなビルで、扉とかがまた明治っぽいがっしりした趣で
ほんとセットが素晴らしかったです。
食事シーンも印象深かったですね。
食材や雰囲気を大事にしているかんじで
風土とかもかんじられて良かったです。
固そうな干し柿もまた・・・おかしかったし。

生と死をほんと温かく描いた感動作

納棺の儀式を実際に立ち会ったことがないので
実際に見るのは両親なのかなぁと思うと
ちょっと胸が熱くなりました。
まだまだ先のことであって欲しいと思います。
ほんと両親にはたっぷり長生きして欲しいです。
こちらも誠意いっぱい親孝行しないといけませんね。