写真集『Inside-Out』から選ばれた作品展示
自らの原体験をもとにシャッターを切り続ける井上廣子の視点と、「窓」に潜む人の気配、それを見る私たちの視点が交差する「Inside-Out」。
6d483c86.jpg
精神科病院や少年院など人が隔離されている建物の「窓」を撮影した作品集。
日本だけでなく、ドイツやオーストリア、またイエメンやアラスカの施設や廃墟の写真もあり、コミックっぽいそんな非現実的な雰囲気・空間が広がっていました。でも現実にある、彼女の目の前にあった風景なのですよね。
写真ってやっぱり不思議です。
あまり写真を観に行こうと思わなかったのですけど
やはりワークショップに通うことになって
これから自分は何を捕らえたらよいのか?ということを考えるようになって
まずは人が撮った写真を見るべきだよなぁと思い立って
こんかい雨の中最終日だったので足を運んでみました。

足を運んだだけの価値はありましたー
良かったです。
写真だけでなく展示も暗闇の中にリバーサルを拡大した写真が
下からのライトで浮かび上がっていて
ほんと絵本を開いているような感覚で写真を眺められました。
床に展示してあったので
対峙するというか見下ろすように作品を観たので
よりそんなかんじがあったんだと思います。

捉えられた無機質な鉄格子、廃墟のような天井や壁、人の温もりがまだ残るベッドの上の布団……
閉鎖的な空間と対峙することで、寂しさや、何も出来ないという疎外感。
でもぬくもりもかんじられる静かな物言わぬ写真。
ちょっと切ないけど。なんかとっても心に響く写真ばかりでした。

■上廣子(いのうえひろこ)プロフィール
大阪生まれ。造形作家。
1974年より2年間沖縄で染、織り技法を研究。
1998年大阪トリエンナーレ1998でデュッセルドルフ市・関西ドイツ文化センター特別賞を受賞し、1999年よりドイツで制作活動を行う。
同市の芸術アカデミー等さまざまな文化機関と関わりながら、その後もドイツとの交流を深める。
2005年より1年間、文化庁海外派遣型文化交流使としてオーストリアに滞在。2007年、クレムソン州立大学(サウスカロライナ州)でレクチャーをしながら、有機素材のみを使った環境彫刻を作るプロジェクトに携わる。

主な個展にヒルサイドフォーラム、東京(08年)、オットー・ワーグナー精神病院ユーゲント・シュテール・テアター、ウィーン(05年)、ムルハイム市立美術館、ムルハイム(03年)などがある。
海外、国内での個展・グループ展は多数。

FOILギャラリーサイトより抜粋