カラーフォトグラフィを芸術の域に高めた“ニューカラー”の巨匠、
ウィリアム・エグルストン氏の展覧会
ウィリアム エグルストン「パリ ? 京都」
22日で終わってしまった展示
いろいろ賛否両論あったみたいだけれど
自分にとっては巨匠だろうがなんだろうが
まだ彼の写真は2回目にすぎなくて
SCAI THE BATHHOUSEの展示とどう違うのかというくらいしか
判断は出来ないのだけど。
全体的にいったら後者の方が良かったかもしれない。
でも
原美術館という空間とこの写真とのコラボレーションはこの期間にしか観れなかったわけだからかなり貴重な体験だったと思う。

◆1F
『パリ』(2006年ー08年)から
パリの写真とドローイング
全体の意図ががまったく読みとれなくて
かなり混乱した展示だった。
たぶん色に惹かれてとっているんだろうとしか思えなかった。

プリントサイズもSCAI THE BATHHOUSEの方が大きかったので
もちろんその方が見応えがあった。

◆2F
『ウィリアム エグルストンズ ガイド』(1976年)から
このコレクションは素晴らしかった。
前後にものすごくストーリーをかんじさせて
ただならぬ空気をかもしだしてる雰囲気
ひきこまれるかんじがした。

『京都』(2001)から
外国人目線の日本
京都らしさはまったくなくて
そこが気になりましたかぁというところ

普段面白いかな?と思っても
まぁ普通かと撮り過ごしてしまうような写真がならんでいて
見逃さずに撮るんだなぁと思った。
実際気になって撮るかどうかはわからないけど
一枚一枚物質なのに表情があって面白いと感じる。

展示を観た数日後
今月号(9月号)の美術手帳に
後藤繁雄がインタビューしている記事があったので
そこだけ読んでみたら

とっても自由奔放なかんじで
1枚の写真は1ショットのみっていう
ストリートだからこそかもしれないけど
パシャで終わって次!みたいなスピード感が
今思えば写真にもあって

1Fの写真とドローイングの組み合わせも
(これはカルティエ側の推薦だけれども)
まさに自由というかイメージが直結していて
写真との根拠も一切ないけれど
本人のアーティスト感覚がものすごくあらわれていた気がした。

全体的にみて
ガラスの写りこみや透かしガラスの人物など
何かに写り込んだ写真がどれもすばらしく感じた。
なかなか撮れそうで撮れないのが写り込みのもの。
綺麗!と思ってもファインダーをのぞくとそうでもないっていうのが多い。
でもこんない綺麗に撮るプロがいるわけで
やっぱり巨匠なんだなぁと思う。

展示数はあまり多くは無かったけれど常設コレクションでそこはカヴァーできた。
原のコレクションは
その場所こそが作品の場所のような絶対感があるので
須田さんの白椿・奈良さんのHOUSE
宮島達夫のデジタルカウンターetc
同じ場所で作品が待っているというのも嬉しい。

束芋以来の原美術館だったけれども
久しぶりにここの空気が楽しめて良かった。
27日にも再びアート・ミュージックイベントで向かう。
こちらも楽しみ。

エグルストン来日の模様は
フクヘン ブログ記事
にて詳しくあります。