写真をやっているなら断然マン・レイよりこっちだと思った展覧会
東京国立近代美術館、京都国立近代美術館、国立西洋美術館、国立国際美術館、国立新美術館の5館が協力
独立行政法人国立美術館設立10周年記念展
陰影礼讃
国立美術館が収集する西洋近世から内外の現代美術までを射程として、『影』を切り口に
足元や地面に落ちる人や物の「影」
光がさえぎられた場所が薄暗く見える「陰」
この二つの特質を踏まえながら、視覚芸術のなかで影がどのように扱われ、どのような役割を果たし、いかなる表現を生み出してきたのかを、多角的に考察。

総数約33,300点を数える国立美術館のコレクションから、絵画、版画、写真、映像を中心に厳選された100作家・170点の作品を一堂に集めた奇跡的な展覧会。

20世紀初頭から現代までの内外の美術、写真、工芸、映画フィルムを収集する東京国立近代美術館:約13,000点

内外の近現代の美術、写真、工芸、デザインを扱い、京都を中心とする西日本の美術にも重点をおく京都国立近代美術館:約9,600点

中世から20世紀までの西洋美術を対象とする国立西洋美術館:約4,600点

主に1945年以降の内外の現代美術を収集する国立国際美術館:約6,100点

この膨大なコレクションから、絵画、版画、写真、映像を中心に厳選された100作家による170点を展示
国立美術館のエース級が一堂にそろい組。

今年で一番の展覧会ってなんだったっけ?と考えるくらい
自分としては今年ピントくるものが無くて
良かった展覧会はいくつかあったけれど
どどどどっと心にきてわーっとなる展覧会は無かったので
この展示はほんとに心震えるほど素晴らしかった。

国際美術館と京都近代の作品は久しぶりなかんじ
でもあまり足を運んでいない
東京の美術館の所蔵作品はさすが東京と言わざるを得ない重厚さ。
超一級品

テーマが『影』だから写真の展示も豊富
すべて一流有名作家のオリジナルプリント
だんだんと目がランランとしてくる感じ
鼓動も早くなっていく

角を曲がるたんびに
どかーんどかーんと何かが光っていて
これはーっていうものが目に飛び込んでくる

何が良かったかなんてキリが無くて挙げられない・・・・

でもあえて挙げろというなら
杉本博か畠山直哉かなw

今だから挙げてしまうお二人
去年だったらたぶんまったく違うジャンルで
平山郁夫だったかもしれないw

ただ気になった点がひとつ
高松次郎作『影』を紹介する写真
昔の国際美術館にあった時の写真だと思うんだけども
懐かしいのはイイとして
この裏が確かお手洗いだったんだよねw
それを思い出してしまって
良いのだろうかと思ってしまった。
違ったらごめんなさいなんだけど。

旧国際美術館は
今のような地面に潜る変に気取ったカッコいい建物では無くて
殺風景で天井が高くて
自然光をうまーくとりいれて
現代を象徴するようなさっぱりとした建物で
まー古かったけれど
なんか誇れる美術館だった。
もっと足を運べば良かったんだけど
現代美術というちょっととっつきづらい
両親もさぱり興味無い分野だったためなじみが無かった。
でもいろいろ見ないと論文のテーマも生まれないと気付いて
身近なところから観ようと思って通い始めた美術館が
万博記念公園内にあった国際美術館

草間弥生との衝撃的な出会いもここ

学芸員の研修もここ
最後だからということで
大阪芸大から3人も受け入れてくれた心意気

そういえば
日曜日に行った練馬区立美術館でも
ちょうど研修中で実習が行われていた。
熱心にトークをメモッている学生さんをみて
ふと自分も在りし日の思い出とかぶってしまった。
懐かしかった。
美術館での研修は素敵な数日間だった。
そんな思い出いっぱいの国際美術館

現代美術に特価するならやはり国際美術館のコレクションの審美眼は凄い
こんな作品も?というものがある。
なんか好き!そいうものが多い。
東京都現代美術館のコレクションもおもしろいけれど
独特のセンスで面白くて心震える逸品を今後ともコレクションしていってもらいたいと思う。

これは期間中もう1回いきたいかもなぁと
日を追うごとに思えてきている。

★時代・地域・ジャンルを横断する多彩な作品が集結
国立美術館が収集の対象とする西洋近世から内外の現代美術まで、多様な作品が並びます。
リベーラ、ロイスダール、クールベ、モネ、ドラクロワなど西洋近世・近代の絵画
ホルツィウス、ピラネージ、ゴヤ、ドーミエ、クリンガーらルネサンスから近代までの西洋版画
岸田劉生、安井曽太郎、須田国太郎、北脇昇などの近代日本の洋画、速水御舟、横山大観、東山魁夷などの近代日本画
スティーグリッツ、ケルテス、森山大道、篠山紀信らの写真作品
デュシャン、ウォーホル、リキテンスタイン、高松次郎、杉本博司らによる20世紀から現代の作品

時代・地域・ジャンルを横断する多彩な作品を、一挙にご覧いただける機会

〜10月18日(月)
毎週火曜日休館