応挙の創造した豊かな空間
絵画という平面の中に、奥行きのある立体的な世界。
「空間の画家」応挙が青年期に遠近法を習得するきっかけとなった眼鏡絵から、画風大成期の屏風や襖など大画面作品まで。
11
応挙より等伯の世界観や画業の道のりの方がドラマチックで好きなのだけれど

今回襖絵や屏風が多かったので
空間に対するこだわりや表現にものすごく驚かされた。

じっと金屏風を観ていると
ブラタモリのCG再現VTRのように
金色の部分がざざざっとり払われて
奥行きのある空間がたちまち現れてきて
木々や鳥が立体になってこちらを向いてくれるような
そんなイメージがふっと沸きあがってくる。

日本人のイマジネーションはすごいなぁと思う。
3Dのテレビや立体視が今のトレンドのようだけど
そんな機械や器具に頼った立体視でいいのかと疑問に思った。

十分に想像できるんじゃないのかと?
よりリアルがリアルじゃないよね。
アウトプットをもう一度考え直す時期が来ているように思う。

何も書かれていないのに奥行きを感じさせる空間の魔術師応挙
すばらしいきづきをさせてくれた気がする。

表現を機械に頼らず
観る方も表現する方も五感を信じて楽しもうじゃないのさ。

それじゃ経済がまわらないって?
そんな世の中なのかい?

そうだとしたらさみしーなー。

この日はかなりバタバタだったけれど
観れて良かったとほんと思った。
ぐるりんパスに感謝。