千葉市美術館の抱一さんと迷って
天気・気分などを考慮して東京国立近代美術館に。

23日までと次の日が終了日もということもあって観に行ってきた。
イケムラレイコ うつりゆくもの

レオ・ルビンファイン 傷ついた街

▼イケムラレイコ うつりゆくもの
展覧会を企画・構成を担当した
保坂健二朗(当館研究員・本展企画者)のキュレータートークが1時間後にあるとのことで
ぐるっとさっと会場をまわってみる。
ひとつめの展示フロアを出たところに
赤とオレンジの背景に
鳩と絵筆を握り締めた少女がたたずんでいた。
おもわず
「はぐちゃんだ*!」って思ってしまう。
*羽海野チカ[ハチミツとクローバー]に出てくるキャラクター(主人公)

そう思ってしまうと
なぜか全部はぐちゃんがつくった作品に思えてしまって
そこからなかなかイケムラさんが現れてこなかった。
ほぼ作品を観流したところで
キュレータートークの時間に。

2:新作 風景
4:横たわる人物像:彫刻と絵画
8:進化
12:アルペンインディアナ
10:ブラック・ペインティング
15:新作 (顔)

このブースで解説をしていただいた。
話すペースも内容も聞きやすくて面白い。
成長のブースでは言葉の語尾に「するなりか」という一文があるところで
「コロ助」がよく使うことばですけれどもと突っ込むあたりもすごいセンスw
たださすが研究者
作品の形態・インスピレーションが生まれた経緯など
作家とのやりとりや作品の背景的なところが中心で
表現されている感覚的なところは話されなかった。
それは作家自身から聞かないとわからない部分かもしれない。

ブラック・ペインティングのブースにかかれていた
黒は無
暖かい無限色
もっともひとりであることの色
この一文が気になって
どうして黒という色にむかっていったのかということを
保坂さんに聞いてみたところ
素材や下地から重ねていく過程で黒にたどり着いたのだと思いますということが聞けて
この「黒」という色と
日々成長し、かわりゆく少女や自然に対しての積極的なアプローチに
イケムラレイコという作家さんにとても興味がわいた。

新作から過去の作品へとたどるというあまりない展示構成
ひとつの素材にとらわれない自由な作家活動
どこまでも静かな作品の中にどれだけのエネルギーが潜んでいるんだろう。
最後はちゃんと「はぐちゃん」のイメージが払拭できてよかった。

この展示を観る前夜にたまたま
相米慎二監督作品「お引越し」を観ていて
どこか運命的というか必然だったというか
映画の延長線上またその逆かもしれない流れというか導かれた感にびびりながら会場をあとにした。

とても素晴らしい展覧会だったと思う。
特集サイト「Side B」もすばらしい
http://www.momat.go.jp/Honkan/Leiko_Ikemura/sideb/
川内倫子さんがイケムラさんを撮りおろした写真も観れる。
まだ全部は見ていないので時間があるときに読む予定。

トピックスの中に横尾さんとのトークがあったのでのぞいてみると
「黒」というキーワードで話されていた
一番聞きたかった内容が話されていてとてもためになった。

「.fatale」
対談・イケムラレイコ × 横尾忠則「何ものにも見えるものたち」
2011年9月20日掲載

▼収蔵作品展
テーマで歩こう:奇景
日本画を中心に、布施美術館と京都国立近代美術館からの特別出品を加え、描かれた奇景の意味と魅力を探るこころみ
作品は所蔵品ギャラリー内のあちこちに展示された18点。
黄色のキャプションやパネルが目印★

富岡鉄斎《妙義山・瀞八丁(どろはっちょう)図》1906年 布施美術館蔵
加山又造の方*北宋雪景水墨山水(*にんべんに方)が良かった。
大阪で岸田劉生展をやっているので普段あまりみれない麗子像があった。

写真コーナー
特集 北へ―北井一夫、須田一政、森山大道

▼レオ・ルビンファイン 傷ついた街
2002年から6年にわたって、ニューヨークをはじめ、ロンドン、マドリッド、モスクワ、イスタンブール、東京など、近年テロ事件の起きた世界各地の都市を訪ね、ストリートスナップの手法で撮影された写真

大きく引き伸ばされた写真が整然と国に関係なくならんでいて
ときたまカラーがはさまれている。
そのカラー写真がいように視界に入ってくる。
ほんの一瞬みせる人間の顔
そこからむけらる視線

圧倒させられてしまったけれど
写真集にのっているコメントと写真を併せて見ないと
きっと意味の無いものなろうなと思った。
こういった作品はちょっと苦手。
なので写真集も未購入。