大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2012 開催直前展
トークイベント『写真家がみた越後妻有』
出演:森山大道(フォトグラファー)/石川直樹(フォトグラファー、大地の芸術祭2012参加アーティスト)
司会:北川フラム(大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2012 総合ディレクター)

echigo-tsumari

石川さん特集のユリイカを読んでいなかったので
森山さんと石川さんの組み合わせが不思議でしかたなかったのだけど
面識がちゃんとあったことにびっくりした。

きっかけは石川さん20代はじめて写真を観てもらった写真家が森山さんだったということ。
なんか意外。
司会の北川さんは被写体に対する根本的なものが似ているというか
同じにおいがするようなコメントをされていました。
どちらも野性的といえばそうかもしれないけれど
どうなのでしょうかねw


さてさて
石川さんは森山さんをかなり尊敬していらっしゃるかんじで
緊張しつつも気丈にトークを展開してました。
そして
声の渋さとちょっと恥ずかしそうに話す森山大道さんがチャーミングで可愛かった。
なんと石川さんは昨日ダッカから日本に帰国したばっかり!
司会の北川さんもダッカに行った事があって
2人してバングラディッシュの国のエネルギッシュさに胸を打たれたらしく
大道さんもダッカにぜひ行って!と猛プッシュ!!
大道さんは「石川くんにに任せるよー」と遠慮気味。
そんなやりとりが終始行われていました。


本題は越後妻有で携わった写真について
新宿など都市を切り込んで撮っている森山さんにとって里山でもシャッターを切れる感覚はどうしてと石川さんの質問に
森山さんのお父さんが島根の石見出身とのこともあり
郷里に帰った気持ちというか
自然に触れた時に内面的になにか切り替わって石ころひとつもいとおしくなってスイッチが入るのだと。
どの街に行っても路地裏に入っていくし
田舎でも里山でも垣根の草木から庭の方にどんどんはいってしまうのだとか。
いかがわしさも新宿や都市だけのものでもなくて田舎も十分いかがわしいと。
また
こうした里山とかは荒木さんは撮らないよねぇとアラーキーの話にも


森山さんから石川さんへは
東松照明さんに写真みてもらったときなんて言われたの?というなげかけ
自分にはなにも言ってくれなかったからもう写真家には見せるのやめて編集者だけに見せるようにしたとうらやましそうに興味たっぷり。
石川さんはそれがなにを言われたかは覚えてなくて、胸に残るようなことは言われてないと思うと・・・・
それを聞いて森山さんはちょっと不服そうw
(ほんとに森山さんはかわいかった)

石川さんは森山さんにはじめて写真を見せてもらったことをとても貴重に思っていて
北極でなにが写ってるかわからないような写真やプリントをミスしたものがいいってほめられたのが新鮮だったと思い出話も。

カラオケに行ったというような話にもなり
石川さんは瀬戸の花嫁をアラーキーさんの前で歌って音狂ってるけどいいね!っていわれたというエピソードも。
酔わないと歌えないって言う森山さん
神戸を歌った次の日震災が起きたという北川さんはそれから二度とカラオケに行って歌ったことはないんだとか。
そんなトークも!

石川さんは現在「異人」という個展を東北芸術工科大学で開催されていて
そのシリーズを今年はつめていくとのこと
鬼は外においやられる存在だけれど
仮面をつけた怪物は受け入れる風習がおもしろいと。
海からははぐくまれる物は恵みもありこうした異人もうけいれていくことも必要という文化に感心をもっているとのこと。

南の島とエベレストから日本の郷土に根付いたモチーフを選び取る感覚が他の写真家とはまったく違っていて
とても面白いなぁと思う。

時間が結構ぎりぎりだったので質問もナシ
最後はかなりあっさりと終わったのもなんだか三人を象徴しているようで面白かったです。