糸井さんてほんと「わかってるなぁ」っていつも思う。
手と間
いいものは人との間にアイデアと手をかけてつくっていくもんだ。

 ・ある広告代理店が、ある時期から、
 「インターネット広告に力を入れるぞー」と決めてね。
 これからはインターネットだっつーの、と、
 がんばってそのための態勢をつくっていった、と。
 実際に、とにもかくにもやってみたら、
 「人がひとりと、コンピューターが一台あれば、
  誰でもメディアになれちゃうぜ」
 のはずだったのに‥‥。

 人間の数は、いくらでも要る。
 製作時間もかかるかかる、じゃんじゃんかかる。
 受け手の要求は、どんどん高度になってくる。
 システムの進化に合わせて改訂改良が止められない。
 そのわりにはお客さんが来てくれない。
 広告主はお試し程度しかギャラを払ってくれない。
 大所帯が徹夜徹夜で働いていて、
 あらまこれじゃぁ儲からないんじゃないか?
 というようなことになっちゃった、とか‥‥。
 
 これ、別の人から聞けば別の考えもあるのでしょうが、
 「インターネットは手がかからない」というのは、
 ぼくも、ちがうんじゃないかと思っています。
 「手をかけないこともできる」なら、腑に落ちる。
 人の手がかからなくなったように見えたときには、
 「だったら、これができる。これもできるじゃん」
 となるのが、仕事というものです。
 そして、よろこぶべきか悲しむべきか、
 「手をかけた仕事ほど、だいたいは、よくなる」んです。
 
 いま、ずっと「手編み」について、
 見たり考えたり取材してたりしてて、
 人が手をかけるっていうことの価値を、
 機械に渡したほうがいい場合と、
 機械から返してもらったほうがいい場合とがあるな、と、
 思っているところです。
 そんなこと思いながらインターネットを眺めたら、
 この世界だって、いいところは手づくりが多いんです。
 なんとか「当てよう」とか考えてる人は、
 「手をかけよう」から思ったほうがいいかもしれない。
 さらに、このへんを、考えていきます。