「移動と可動建築」、「ひとびとの力」の2部構成で、日本で初公開となる初期作品から近作まで、ス・ドホの活動を広く紹介。
suh_do_ho
家族、伝統、民族などの出自を象徴する「家」をモチーフにした代表作
個と集団の関係性
パーソナルな視点から、文化、歴史、社会というパブリックな題材まで
緻密かつダイナミックに訴えかける作品はカルマの像のように重く連なり
自分自身の肩によりかかっているようでもありました。
たまたま前の職場の後輩の結婚披露宴が広島であり
次の日フクヘンさん絶賛の展覧会に足を運びました。

泊まっていたホテルからバスに乗れば簡単にいけるはずが・・・
どうやら系統は一緒でも行き先が違うバスに乗ってしまったらしく
かなり遠回りで美術館に到着。
やはりバスは恐ろしい乗り物ですね。
11時くらいに美術館に着いたのですが意外に人がいっぱい。
注目されてるんだなぁと思っていたのですが・・・・
なんと先着でアンケートに記入すると石釜パンがもらえたらしく
私が見終わったころには「配布終了」の文字。
いろいろびっくりでした。

いざ作品を観ようとしたところでボランティアガイドがはじまるところで
せっかくなので作品ごとに解説をお願いした。
他に説明を求めてる人は居なかったのでワンツーマン
とてもわかりやすく説明をしていただきました。

やはり作品の背景は聞かないとわからないことがたくさん。
作品のなりたちやら、ドホさんのご両親の話など
バックボーンを聞いた上で作品を観るとやはり違うなぁと。
国家とのつながり、個人を支えるもの。
「人」とのつらなり。関係
習ってきたもの。
これまで生きた来た過程の中で積み重ねてきたもの
両親からの影響
作品ひとつひとつから
背負っているもの
表現できるかぎりのメッセージを越えて発している気がしました。

また一人でもくもくとつくっているわけでなく
ボランティア・スタッフと共同でつくりあげていく工程もすばらしいなと。
自分ひとりだけの作品ではなくて
作品を発表する場との関わりにも深く結びついているのだなぁとも。
作品の作業工程の話も聞けたのも大きかったです。
刺繍された糸の作品は一度薄い紙にミシンかけして
紙を溶かし刺繍された糸だけを取り出してパッチワークのように厚紙の上に置いて
アイロンがけをするのだそう。
気の遠くなるような作業・・・・
でもそうやってあのやわらかい流線型というかほどけていくような線が出るんだなぁと。
解説を聞いてほんと良かった!

展示構成も入念に計算がされていて
どのブースも雰囲気が良くごちゃごちゃしていなくて観やすかったのも良かった。

常設展ブースの『ブループリント』2010も光が透けて
都現代美術館にある『Reflection』以上に面白かったです。
ブループリントは渡米中の住居アパートの玄関。
とても大きかったです。
会場の都合上斜めに展示してあるのですが
上手いこと収めたなぁというかんじ。
お天気が良いときに見たほうが良いかも。

常設展示の中では青写真(ブループリント)ー記憶 > 創造展開催中
広島という土地柄「影」にまつわる作品がほとんど
その中で
杉浦邦恵「アーティストペーパー」シリーズがダントツで面白かった。
(森山大道・草間弥生・宮島達男・村上隆)

展示作品紹介は下記サイトを参考に!
特設ウェブサイト http://www.hiroshima-moca.jp/doho/
フクヘンさんのブログ http://fukuhen.lammfromm.jp/?p=17000

*余談
《墜落星—1/5スケール》のディテールという作品の中にはナウシカのプラモデルケースがあるので
こちらをぜひ探してみるのも面白いかもですよw(作家本人が住んでいた部屋の中にある)
日本のプラモデルとかフィギアが実はとてもお好きなのだとか。
この1/5スケールの作品はとことん1/5のサイズにこだわっていて
素材もなるべく同じものでつくるんだそう。
ほんとすごい人ですねぇ。

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広島市現代美術館
〜10月21日(日)
開館時間 10:00〜17:00
※入場は閉館の30分前まで
http://www.hiroshima-moca.jp/