メモです。研修バカに読んでもらいたい糸井さんのひとこと。

・かつて、『信長の野望』という

 シミュレーションゲームに夢中になったことがあります。
 ゲームの内容を詳しく説明するのは遠慮しますが、
 プレイヤーが戦国武将になって、勢力を拡大し、
 天下を統一する遊びです。

 プレイヤーの選択した武将には、
 じぶんの番ごとにやることがいっぱいあります。
 スパイを送って情報を集めたり、同盟を組んだり、
 武器を買ったり、食料を確保したり、
 先に支配した国を部下に管理させたり、もういろいろ。
 むろん戦闘の場面での采配はものすごく重要です。
 ここまでの説明を読んでいるだけで、
 「めんどくさいなぁ」と思っている人もいるでしょう。
 たしかに、めんどくさいのです。
 効果的に、効率的に、勢力を強めていくには、
 全国の力関係という大局を理解しながら、
 繊細な一歩一歩を大事にしていかなきゃいけない。
 だけど、その一回ごとのターンで、
 じぶんが何をしたらいいのか、的確に判断するのは、
 あんがいむつかしいものなんです。
 で、これだという考えが浮かばないときに、
 ぼくは、つい「(軍隊の)訓練」というコマンドを
 選んでしまうのです。
 
 <何していいかわからないときに、
 (考えを停止して)訓練を選ぶ馬鹿者。>

 これは、最悪のリーダーだなぁと苦笑いしました。
 兵を疲れさせ、ほんとうにするべき大事なことをせず、
 考えることから逃げ、敵に先手をとられるリーダー
 ‥‥になる傾向が、ぼくにはあったというわけです。
 「訓練」を「努力」と置き換えたらわかりやすい。
 知恵も展望も見つけられないとき、「がんばれ」と言う。
 ゲーム上のことでしたが、そういうじぶんを発見して、
 ひとりで「ダメだ、こりゃ」と思ったものでした。
 ときどき、そのことを思い出すんです。
 「どこをどうするか」、「なにをどうしたいのか」、
 そういうことを見つけられないまま、努力やがんばりで、
 ごまかそうとしてる場面って‥‥多いんです、あちこち。
幾原監督のつぶやきも残しておこう。