国宝を観に行く。
ただそれだけで観に行ってもいいじゃないっていう展示。
そうほかに何もいらないって思えるような展示でした。
那智瀧図
熊野・那智山の南壁を落ちる那智瀧を描くこの作品には、日本人の自然に対する敬虔な思いが込められています。
千手観音が姿を変えた神体・飛瀧権現を図絵した礼拝画として、また一筋の瀧のすがたを描いた風景画として、那智瀧図は日本絵画を代表する名品のひとつと謳われています。
釈迦の生涯や奇瑞を描いた仏伝図、聖徳太子や弘法大師にまつわる物語、そして寺院や宗派の優位性を説く縁起絵など、根津美術館が所蔵する仏教説話画の作品も併せて展示。

=====
 鎌倉・室町の美術で仏教。
ちょっと眠い退屈な内容のようにおもえるけれど。
釈迦や聖徳太子のものがたりがおもしろおかしく描かれているのをみると
ちょっとおかしい。

しかも一服の掛け軸に
あらゆる場面が同時に描かれているのもおかしい。

目で追っていくのに大変苦労した。

そして大きな展示室をぐるっと一周して次の部屋に行くと。
一服だけの掛け軸が。

那智瀧図

贅沢!
贅沢すぎる空間!

ひとすじきらっと光って
勢いよく一直線に落ちる瀧

実際に見に行ったわけでは無いのだけど神聖な空気みたいなものがこの空間にも満たされているようで
気持ちがすーっとなる。

間近で見るより。設置されたベンチからの眺めがベスト。

とても気持ちが良かった。

この週の日曜美術館は『現代美術作家・杉本博司 × 国宝・那智瀧図』 
杉本さんが8×10のディアドロフで瀧を撮りに行くというもの。
那智の瀧の源流へと向かう途中の風景に惹かれた。
まだまだ豪雨による氾濫の傷跡はまだがっつり残っているよう。

そして朝日に照らされた対象ではなく。
うす曇の夕焼け時を選んで撮影された一枚は
テレビ越しでも鳥肌が立ちそうな階調だった。

いつか小柳で観れることを祈った。