Zen Foto Gallery
鬼海弘雄 Hiroh Kikai "Tokyo Labyrinth" 写真展
●トークイベント

Gallery916
M. River Yoshihiko Ueda 
M. Sea  Yoshihiko Ueda 
感想====
▼鬼海弘雄 Hiroh Kikai "Tokyo Labyrinth" 写真展
東京迷路はいつか欲しいと思っていた写真集。
やっぱり値段は当時の2,800円ではなく倍の値段で売られていたので断念。
73年から撮り始めた浅草のポートレイトを撮り続けられながら
かわりゆく東京の下町を街のポートレイトとして撮っていたシリーズ。
この日トークショーもあって「洗濯物が好きで語りかけておしゃべりする」と語っていた。
展示には洗濯物の写真はあまりてんじされていたなかったけど
写真集にはほんとたくさん出てくる。
最後のページのブロック塀の曲がり角の写真
これは今回の展示でも最後に飾っていてこの道は先の見えない迷路ということで
作品集のタイトルと呼応していると聞きより好きになった。

▼M. River/M. Sea  Yoshihiko Ueda 
屋久島の自然
この日は雨でビルには雨音が響いていてそれが流れる川のせせらぎのようにも聞こえて
写真を観ていてとても気持ちが良かった。
フォーカスが甘いので写真家が美しいと思った光そのものをみせられている感覚。
シャープな森の表現もあるので感じた自然そのものを写真で表現している気がした。
何が写っていているのかというより撮る瞬間どんな気持ちになったのかということを考えさせられる。

この展示に寄せた後藤さんの言葉にはこうあった
「ただのエフェクトの遊びではない。「観る」ということの客観化、可視化なのだから。 」

小さいスペースのギャラリーには先日キャノンで観た東尋坊の海
額が無い分作品数が増え、写真それぞれの間隔が狭くより自然の連続性と形の面白さが際立っている。
日が落ちて夕闇になったころどこからかの光が岩にあたって光っている写真に目がとまる。
初めてのデジタル一眼5Dマーク3
ひとつひとつが大きく出力しても耐えられるだろうにB5くらいのサイズに抑えて枚数で表現されていることが上田さんらしいと思う。

今回の展示から800円の入場料が必要となった。
そのぶんといってはなんだけれど展示の小冊子と会場で無料の珈琲がついている
珈琲をすすっていたら受け付けの好青年と少しおしゃべりをした。
上田さんの写真に惚れて事務所に入ったらしい。
絵画の写実の話になってホキ美術館はやっぱり良かったとのこと。
作家の写実という表現にもいろいろあって作品になるまでに作家が通したフィルターを考えながら見ると楽しいですよとのことだった。
出来上がった本物に忠実に作られた作品をすごーいってみるのではなくてどうしてこの表現にいたったかのフィルターを楽しむのかぁと納得。
今度機会があったら行かないとなと思った。
写真ではなくどうして写実という表現を選択して作品が生まれたのかなんて普段考えないからちょっと面白いかもしれない。