「両面宿儺坐像(りょうめんすくなざぞう)」ほか、秘仏(ひぶつ)「歓喜天立像(かんぎてんりゅうぞう)」、地面に生えたままの立木に梯子をかけて彫ったという「金剛力士(仁王)立像(こんごうりきし{におう}りゅうぞう) 吽形(うんぎょう)」など初めて寺を出る円空仏。
2メートルを超す大作から5センチほどのものまで、木目や節が見える円空仏が林立する様子は飛騨の森が出現したかのような展示空間。
飛騨・千光寺所蔵の円空仏を中心に岐阜県高山市所在の100体がお目見え。
enku
http://enku2013.jp/
大小さまざまな仏様を間近で見れて
空間に漂う気のようなものがあるのかないのか
とても気持ちが穏やかになっていくようでした。

特に
千光寺でも7年に一度しか公開されない、秘仏「歓喜天立像」を目の前にした時
「ありがたい」ってこころから思いました。

ひたすら目の前にある檜の丸太や木そのものに
ノミひとつで 仏様を量産していくストイックなまでの営み
ひとつひとつが魂を混めるというよりも
魂そのものを仏様の形として浮かび上がらせているよう。

巨木でさえ神とあがめられる精神が備わっていわけだけれど
でもこうして仏様に姿を変えることで
より愛着や親しみや仏教の教えを生活の中にとりこんでいくその清い精神そのものに
信仰を超えた何か美しいものを感じた。

手の油でテカテカになった撫で仏
「よりどころ」って人が生きていくためには大事なものだよなぁと改めて思う。
なにごとも「感謝」するこころを育てて生きたい。
「ありがたやありがたや」この展示にありがたや。

本館の1F中央フロアをどかんと使ったダイナミックな展示空間も素晴らしかった。
木肌が呼吸しているような飛騨の森の空気の中で仏様と向かいあえた。