01月06日の「今日のダーリン」

・東京に戻ってきて、なんということでしょうか、
 テレビを細切れに、いっぱい観ている。
 録画したものやら、オンエアのもの、
 年末年始の数日間の何倍ものものを次々に観た。
 そして、ネットにつながっている時間もおおいに増えた。
 こうして、いくらでも時間は流れていきます。
 
 ちょっとつまみやすくて、身体やこころに害が少なくて、
 ついつい続けて手が伸びてしまう「情報」が、
 いくらでも、どこでも、ただのような値段で手に入る。
 
 ぼくの、いまいる場所を、
 巨大なプールにたとえるならば、
 ここにあるのは水ではなくて、スナック菓子です。
 食事の代わりに、しようと思えばなる。
 口当たりがよくて、けっこうおいしい。
 どんどん手が伸びてしまって、やめられなくなる。
 みんながもぐもぐ口を動かしている。
 安いし、新しい味もどんどん登場してくる。
 でも、みんなが、食事よりもちょっと下に見ている。
 このスナック菓子が満々とたたえられたプールで、
 ひっきりなしに手を伸ばし口を動かし、
 なにか大事なことをしているような気にもなっている。
 
 冗談のように言うのですが、
 ぼくらは、毎日ひっきりなしにスナック菓子を食べ、
 一日中、一所懸命にスナック菓子をつくり、
 スナック菓子について考え、スナック菓子を評価し、
 一生をスナック菓子と共に終えるのではないでしょうか。
 冗談にしても、なんか脳にまとわりつくような冗談です。
 
 東京にもどったとたんに、ここはスナック菓子の都だ、
 と感じてしまったのですが、
 落ち着いて考えれば、やっぱりバランスですよね。
 このプールに浮かんでいて山盛りになってるのは、
 たしかにスナック菓子なんだけど、
 困るのは、「そればっかり」になることですもんね。
 情報にしても、人との関係にしても、食事にしても、
 娯楽にしても、身の回りのものにしても、服にしても、
 スナック菓子的なものを、何%にするかってことですね。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
安くて、どこでも手に入るというのは、実に強いもんなぁ。